【F1™︎ 2026】勢力図を一変させた新規定の前半戦。アントネッリの活躍でF1は次の時代へ

F1 【F1™︎ 2026】勢力図を一変させた新規定の前半戦。アントネッリの活躍でF1は次の時代へ
マシンの新規定が導入され、新しい時代の幕開けとなった「F1世界選手権」の2026年シーズンの前半戦が終了。中東情勢の不安定化により、予定していた全24戦は一旦22戦に減らされましたが、バーレーンがマレーシアのセパンサーキットで開催されることが決まり、全23戦の設定に。約1ヶ月のインターバルを終えて第12戦「オランダ」から後半戦が始まります。

メルセデス&アントネッリの大躍進

【F1™︎ 2026】勢力図を一変させた新規定の前半戦。アントネッリの活躍でF1は次の時代へ

電動化を推し進めた新パワーユニット、マシンの小型化と空力の変更、そしてオーバーテイクを促進する新デバイスの導入で、開幕当初は様々な混乱がありましたが、そこはさすがF1クオリティといえるスピードで様々な見直しが進み、現在は細かい変化をさほど気にすることなく楽しめるまでに改善が進められてきました。シリーズの序盤を席巻したのは、事前のテスト走行から躍進した「メルセデス」。今季の大変革に合わせて開発作業を進めてきた努力が実り、大きな混乱を起こすことなく、ジョージ・ラッセルとキミ・アントネッリという新世代コンビで序盤戦を圧倒しました。

ファンにとって大きな楽しみとなったのはエース格と見られていたラッセルと、その背中を追いかける10代のアントネッリのチームメイト対決。2年目のシーズンを迎えたアントネッリはメンタル面でも大きな成長を遂げ、序盤に5連勝を飾るなど大躍進しました。逆にラッセルはチームの不運を全て背負ってしまったかのような形となり、トラブルや接触などで2レースをリタイア。アントネッリに対して59点もの差をつけられてしまいました。巨大自動車メーカー「メルセデス」のワークスチームはこういった新時代の到来のタイミングに強く、プライベートチームやライバルメーカーの後塵を拝すことになっていたこの数年間の悔しさを晴らすシーズンを送っています。

不振から立ち直るレッドブル、実力上昇のフェラーリ

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「メルセデス」そして同社製パワーユニットを搭載する「マクラーレン」「アルピーヌ」「ウィリアムズ」といったチームが序盤戦に多くのポイントを獲得。まさに一人勝ちの状態だったわけですが、中東でのレースが中止となった4月に1ヶ月のインターバルができたことで、第6戦モナコ以降のヨーロッパラウンドではライバル勢の飛躍が目立つようになってきました。ルイス・ハミルトンとシャルル・ルクレールを擁する「フェラーリ」は序盤、唯一メルセデスに対して勝負を挑めるポテンシャルを見せました。しかし、決勝ではメルセデスのペースにはついていくことができず、メルセデスの開幕6連勝を許す形に。インターバル明けの第4戦マイアミから投入したアップデートが功を奏し、第7戦バルセロナではハミルトン、第9戦イギリスではルクレールがそれぞれ優勝を飾りました。

ただ、フェラーリ以上の進歩を見せるのが「レッドブル」です。今季の新規定に合わせて自社製パワーユニットを投入するという大胆な挑戦に出た「レッドブル」陣営。開幕当初は予想通り苦戦していましたが、ヨーロッパラウンドに入ってからはエースのマックス・フェルスタッペンだけでなく、ジュニアチームの「レーシングブルズ」含めて入賞を繰り返しており、その信頼性を含めて凄まじい躍進を遂げています。開幕当初の戦闘力不足でモチベーション低下による他カテゴリーへの転向や引退節まで出ていたマックス・フェルスタッペンが、夏休み明けの第12戦オランダを前に契約延長を発表。フェルスタッペンが再び王者に返り咲ける可能性を「レッドブル」に感じていることは、2030年までの契約を結んだことで明らかになりました。今季の初優勝は時間の問題でしょう。

ランド・ノリスとオスカー・ピアストリを擁して昨シーズンを制した「マクラーレン」は第11戦ハンガリーでノリスがようやく初優勝を達成。事前テストのスタートダッシュから遅れをとっていたマクラーレンがようやくトップチームとしての本領を発揮してきました。ノリスも新規定のF1に対し、数多くの不満を口にしていた一人ですが、積極的なアップデートを行なっており、後半戦は大きな期待が持てます。

開幕してすぐの勢力図変化から次の波が来ている形の今季の勢力図。予算制限がある中で、限られた予算を効果的に使って成績を向上させていくトップチームの実力はさすがF1。シーズンが終わる頃には勢力図はガラリと変わっている可能性もあるでしょう。

アウディとアルピーヌ、そこにアストンマーティンも加わる?

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2026年の序盤戦で目立った中堅チームといえば、トヨタの支援を受ける「ハース」でした。現在は日本人唯一のチーム代表としてマネージメントに徹する小松礼雄率いる「ハース」ですが、ここ数戦は成績が低迷。ライバルがアップデートを続ける中でハースは予算不足に苦しんでいることを認めています。一方、「レッドブル」のポテンシャルアップと共に安定して入賞を続けているのが「レーシングブルズ」。もはや大きな意味での第二勢力の主役となりつつあります。シーズン中盤からダブル入賞を5回も続けているレーシングブルズはもはや単なるジュニアチーム以上の働きをしているといえるでしょう。

ただ、第二勢力も激しい戦いを続けています。昨シーズン、コンストラクターズランキングで最下位に終わった「アルピーヌ」は今季からルノーの自社製パワーユニットではなく、メルセデス製をチョイス。この選択が見事に当たり、モナコではピエール・ガスリーが2シーズンぶりの表彰台を獲得。アービッド・リンドブラッドも今季6度の入賞を達成しています。

アルピーヌの今後のライバルという意味では、パワーユニットを含めた新しい体制で参戦してきた「アウディ」が強力なライバルになるでしょう。ガブリエル・ボルトレートがイギリス、ベルギーと連続入賞を果たしただけでなく、ニコ・ヒュルケンベルグがハンガリーで初入賞を達成しました。パワーユニットサプライヤーとしては新規参戦であるため苦労は絶えませんが、ボルトレートはほとんどのレースで完走を果たしており、アウディはデビューシーズンに果たすべき仕事を淡々とこなしている印象です。

一方で「アストンマーティン」は期待値の大きかったホンダとのパートナーシップで参戦しましたが、登場したマシンは大失敗に終わり、テールエンダーと化していました。しかし、ハンガリーで投入したアップデートでそこから抜け出し、ようやく中堅チーム勢とレースで争える状態にまで向上。ターゲットは来季に向けていかないと行けない状況ですが、シーズン終盤戦になった時にどこまで結果を向上させられるか楽しみな要素です。シーズン中盤戦はまだまだ予想もしない勢力図変化が起こってくるでしょう。凄まじい開発スピードで進化していくF1。大きなレギュレーション変更があったシーズンならではといえるドラマを楽しみましょう。

©Getty Images