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『SHOGUN 将軍』だけじゃない!日本人が活躍する海外ドラマ5選

いま、ハリウッドで日本人の評価がうなぎ上りだ。2024年に開催された第76回プライムタイム・エミー賞にて、史上最多となる18冠という偉業を成し遂げた『SHOGUN 将軍』を筆頭に、日本人が製作に関わる映画やTVドラマが軒並み増え続けている。現代はまさに、日本人が世界へと飛び出し、国際的に活躍する時代となっているのだ。

しかしながら、日本人の俳優、製作者というのは長きにわたり、海外で冷遇されてきたのもまた事実。これまで一体何人の夢追い人たちが、この小さな島国から海を渡り、夢破れて帰国するに至ったのか…。だが、そんな夢追い人たちの中にも、いつか日本人が、活躍の場を世界へと移し、大きな飛躍を遂げるだろうと信じた者たちがいた。

FODでは、いわば日本人俳優、製作者たちの先駆者とでも言うべき彼らが活躍する海外ドラマを視聴することができる。ここでは、歴史に多大な影響をもたらした5作品を紹介しよう。

かつて一世を風靡した日本人俳優がいた!『HEROES/ヒーローズ』

かつて一世を風靡した日本人俳優がいた!『HEROES/ヒーローズ』
未だハリウッドにおける日本人の活躍の場が限られていた時代。一人の日本人俳優が一世を風靡する。

HEROES/ヒーローズ』は、全世界に突如として、特殊な能力を持つ人々が現れることから幕を開ける。彼らの力は一体何のために存在するのか、その真相に迫ると共に、彼らを狙う殺人鬼サイラーとの熾烈な攻防戦が描かれた。

劇中で日本人のヒロ・ナカムラ役に扮したマシ・オカは、「ヤッター!」というセリフで一躍時の人となる。ユーモアあふれる演技と親しみやすい雰囲気から、日本人ハリウッド俳優として人気者の仲間入りを果たし、その後、映画にTVドラマにまさに引く手数多だった。彼の活躍もあり、本作はゴールデン・グローブ賞を初め、様々な賞を受賞。放送開始当初は、全米視聴者数の新記録も樹立している。

海外ドラマにおける日本人活躍の歴史は、『HEROES』マシ・オカから始まったものであり、その土台を築き上げる役割を担ったと言えるだろう。

名優の演技に世界が戦慄!『HELIX ‐黒い遺伝子‐』

名優の演技に世界が戦慄!『HELIX ‐黒い遺伝子‐』
『SHOGUN 将軍』の主人公である吉井虎永役を演じた真田広之は、実は、それ以前にも多くの海外ドラマで印象的な活躍を見せている。

その中でも特筆すべきは、やはり『HELIX ‐黒い遺伝子‐』だ。本作は、北極の生物研究所で発生した謎の感染症を巡る物語。感染を拡大させていくウィルスの謎を解明しようとするSFスリラーだ。

本作で、謎と秘密が渦巻く研究所の所長であるヒロシ・ハタケ役に扮するのが、真田広之である。何かを隠したようなミステリアスな雰囲気を醸し出し、小さな所作や声色の変化で、作品の持つスリリングな要素を煽る。人類の命運を脅かす衝撃的な真実が明らかになった瞬間は、全米いや全世界が戦慄したことだろう。その真意を悟らせない静かな感情を携えた演技は絶賛された。

時代劇とは異なる現代劇での彼の演技を堪能するにはうってつけの一本だ。

日本人キャストの演技合戦!『TOKYO VICE』

日本人キャストの演技合戦!『TOKYO VICE』
真田広之と共に、日本人俳優のハリウッド進出への道を切り拓いた名優と言えば、何を隠そう、渡辺謙だ。彼もまたアメリカで超大作映画から舞台まで幅広い活躍を見せている。そんな彼が2022年に出演した『TOKYO VICE』は、1999年の日本を舞台に、一人のアメリカ人記者が裏社会の真実を炙り出そうと奔走する姿が描かれる。

人気俳優アンセル・エルゴートが危険な世界に足を踏み入れていく記者役に扮し、彼に影響を与えるベテラン刑事の片桐浩人役を演じるのが渡辺謙だ。暴力さえも厭わない冷徹な刑事であると同時に、家族との幸せを守ろうとする姿からは優しさをも感じさせる、実に緩急自在の演技。アンセルとの英語での掛け合いは見逃せない。また、渡辺謙のほか、菊地凛子、伊藤英明、山下智久といった錚々たる面々がキャストとして顔を揃えており、彼らの演技合戦も大きな見どころとなっている。

近年、そのクオリティの高さから大きな注目を集めているHBO MAXと日本のWOWOWによる共同製作で実現した本作。日本のドラマにはない刺激を求めるならば、本作で決まりだ。

その意気込みと熱意に感服!『報道バズ』

その意気込みと熱意に感服!『報道バズ』
2020年代に入ると、ますます日本人の活躍が顕著になっていく。日本人の製作者、日本人の俳優によって製作された海外ドラマさえ登場したのだ。

報道バズ』は、記者を目指してニューヨークのニュースアプリ会社で働き始める、元女子アナを主人公としている。もっぱらバラエティ番組の担当だった彼女は、持ち前の好奇心とハングリー精神をもって、ジャーナリストとして認められようと奔走していく。
海外ドラマを数多く視聴しているファンでも、日本人主導による海外ドラマという存在に気づいていないかもしれない。それはもったいない!

本作は、日本人が抱く「美しき者こそ善」というステレオタイプの考え方に対して警鐘を鳴らすと共に、SNSへの問題提起、日本人が持つLGBTQへの考え方など、まさに現代日本に生きる我々の感性に訴えかける作品となっている。

本田真穂、松崎悠希を初めとしたキャストの演技からも、日本人発信のものをというとてつもない意気込みと情熱を感じること請け合いだ。

彼らの熱意が現代の日本人俳優や製作者への評価を高めたことに、少なからず繋がっていることは言うまでもない。

人気俳優の海外進出作!『THE HEAD』


近年は日本で活躍する人気俳優たちが続々と海外進出を果たしている。その中でも特に話題をさらったのが、山下智久の海外ドラマ出演である。

彼にとって記念すべき海外デビュー作となった『THE HEAD』は、南極の科学研究基地を舞台に、極限の心理スリラーが繰り広げられる。誰も予想できない結末を迎えることでも視聴者を震え上がらせた。

日本とヨーロッパの共同製作により実現した本作は、実に国際色豊かなキャスト陣が顔を揃えている。山下智久は研究員の一人であるアキ役に扮しており、全編英語のセリフにも挑戦。物語のカギを握る重要な役どころを任されており、日本時代に培った表現力の高さを遺憾なく発揮している。

その後も海外作品での活躍が目立つ彼の新境地を堪能してみてはいかがだろうか。

かつて、こんな時代が到来することを誰が想像しただろうか? 遠く離れたハリウッドやヨーロッパという異国の作品で、日本人が中心となった作品づくりをしている。FODで、そんな日本人の活躍の歴史を辿ってみるのもまた一興かもしれない。

(文・海外ドラマNAVIライター Zash)

 

『HEROES/ヒーローズ シーズン1』(C)2007 NBC Studios, Inc. All Rights Reserved.
『HELIX ‐黒い遺伝子‐ シーズン1』(C)2014 Sony Pictures Television Inc. All Rights Reserved.
『TOKYO VICE』WOWOW
『報道バズ』(C)2019 Tall Trees Playground LLC
『THE HEAD Season1』(C)Hulu Japan
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