【インタビュー】ドラマ『share』秋田汐梨×池田匡志が語る新しい愛の形

2026年4月20日(月)深夜25時より、フジテレビおよびFODにて放送・配信がスタートした連続ドラマ『share』(原作:三つ葉優雨/小学館)。男性が苦手な18歳の女子高生とゲイの青年という、決して交わらないはずの二人がシェアハウスで織りなす、切なくも新しい同居ラブストーリーが描かれています。

今回は、主人公・日下はる役の秋田汐梨と、藤原理央役の池田匡志にインタビューし、複雑な感情を抱える役へのアプローチや撮影現場でのエピソード、連載本作を通じて見つめ直した「多様な愛の形」について、たっぷりとお話を伺いました。

不器用で大胆な「はる」と、優しくて残酷な「理央」のキャラクター像

――最初に台本を読まれた時、ご自身が演じる役に対してどのような印象を持ちましたか?

秋田汐梨(以下、秋田):はるは不器用だけど、大胆でまっすぐな女の子だなと思いました。「好きになっちゃいけない」と言われている理央のことを、はるは好きになってしまいます。はるは自分の感情を抑えようとしますが、溢れる思いを隠しきれず、理央が寝ている間にキスをしてしまうくらい大胆です。理央のことをまっすぐに想う無邪気さや純粋さは、絶対に失わずに演じたいと思いました。

池田匡志(以下、池田):理央は不思議な人だなと思いました。はるとの距離は近いのに、本心は掴めないし、心に踏み込ませません。理央は優しいのに、その優しさがはるにとっては残酷に見える。とても曖昧な立ち位置にいる人という印象です。でも、その曖昧さは単なる「逃げ」ではありません。理央が歩んできた背景や過去が、理央をそうさせているんだと感じました。そこが魅力的だなと思います。

「触れるけど奪わない」繊細な距離感の作り方

――本作は「同じベッドで寝てキスもするけれど欲情されない」という非常に繊細な距離感がキーになります。お二人が演じるうえで意識されたことはありますか?

秋田:いろんなシーンを演じながら、「今は理央の心に近づけた気がする」と思う時と、急に理央との距離を感じるシーンが交互に来ました。近づけている気がするのに、理央から突き放されているような感覚です。この距離感は、私が頭で考えて演じたというよりも、実際にはるとして感じた感情を、そのまま表現したという感じです。

池田:理央ははるのことを気に掛けています。ですが、理央の思いが「はるへの欲情」や「はるを所有したい」という感情に直結しないように意識しました。そうじゃないと、この作品の温度感が壊れてしまいます。「はるに触れるけれど奪わない」「はるに近づくけれど支配しない」。そんな感覚を大事にしていました。

ドラマ『share』秋田汐梨×池田匡志

加藤綾佳監督の演出と、リアルな「シェアハウス」の空気感

――加藤綾佳監督からの演出で、特に印象に残っているエピソードはありますか?

池田:監督はキャラクターの解像度がとても高くて、役の魅力を引き出してくださる方です。理央については、はるとの距離が近いからこそ出てしまいがちな「男っぽさ」や「チャラさ」を、演技から抜くような演出をしていただきました。

――撮影現場である「シェアハウス」の雰囲気はいかがでしたか?

秋田:同年代のキャストが多かったこともあって、和気あいあいとしていて楽しかったです。

池田:キャストの皆さんはそれぞれ性格は違うんですけど、それもひっくるめて居心地のいい空気がずっとあります。スタッフさんたちも含めて30人くらいで、本当にシェアハウスで暮らしているような安心感がありましたね。

秋田:朝現場に入って、みんなでご飯を食べて。無理に盛り上げようとせず、自然な会話の中で生まれていく空気感がとても心地よかったです。

共演して感じたお互いの魅力と、理央の「ギャップ」

――はるは「感情を抑えている少女」、理央は「自然体な男性」と少し対照的です。演じるなかでお互いの「ここが魅力的だ」と感じたポイントを教えてください。

秋田:漫画で読んでいた理央よりも、池田さんが演じる理央は男性っぽさがあって、実写ならではのリアルさがあると感じました。ゲイであることを普段一緒にいる時に特別感じることはあまりありませんでした。ですが、セフレである岩倉さん(水石亜飛夢)が登場して、彼と一緒にいる時の理央を見た時に、独特の色気を感じたんです。私が今まで見てきた理央とは違うギャップを感じて、とても魅力的だなと思いました。

池田:はるの「未完成なところ」がとても可愛くて魅力的でした。高校生ならではの真っ直ぐさや不器用さがあります。はるは感情を一生懸命抑えようとしているのに、抱えきれずに少しこぼれてしまう時があるんです。はるの表情が揺れた時に、理央としても心が動きました。守ってあげたい存在なのに、はるにはちゃんと芯があるところが魅力ですね。

多様な性のあり方と愛の形:「理解する」とは「決めつけない」こと

――本作は「性の多様性」や「ひとつではない愛の形」をテーマにしています 。撮影を通じて考え方に変化はありますか?

秋田:この作品を通して、「相手との関わり方を決めるのに、周りの目は関係ない」と思うようになりました。二人にしか分からない形で想い合っていれば、それだけでいい。「人と人」として関わることが一番大事だと思いました。

池田:「物事を簡単に言い切らないことの大切さ」を感じました。昨今は、性や愛の形も分かりやすい言葉で説明することが多くなったように感じます。ですが、一人の人間はそう簡単に語れるものではないと思っています。今回の理央も、優しいとも残酷とも言い切れませんし、理央とはるの関係も一言では説明できません。「他者を理解する」ということは、「決めつけない」ことに近いんだなと。複雑さをそのまま受け入れることが大事なんじゃないかと感じました。

ドラマ『share』作品概要

タイトル ドラマ『share
放送・配信 毎週月曜日放送
FOD:ノーカット版を見放題にて独占配信予定
TVer:放送終了後、無料見逃し配信あり
キャスト 秋田汐梨、池田匡志、寺本莉緒、草川直弥、藤本洸大、水石亜飛夢、白戸達也、雛形あきこ、山中聡
原作 三つ葉優雨「share」(小学館「ベツコミフラワーコミックス」刊)
監督 加藤綾佳(1話・2話、4話~8話)、工藤渉(3話)
脚本 加藤綾佳
音楽 西村大介 / DUNK
主題歌 the Indigo「BLUE」(作詞:田岡美樹 / 作曲:市川裕一)
URL https://fod.fujitv.co.jp/title/20fr/ (配信ページ)