2026年7月31日からFODにて全話好評配信中の『ペンション・恋は桃色season4』。『ペンション・恋は桃色』シリーズは、いつもテキトーな父・シロウ(リリー・フランキー)と、その娘・ハル(伊藤沙莉)、そして住み込みバイトのヨシオ(斎藤工)が営む、ちょっと古いペンション「恋は桃色」を舞台に描くハートフルコメディです。
今シーズンでは、シロウたちが営む「恋は桃色」がリフォームに入ることとなり、一同は海の見えるペンション「UNITY UNITY」で働くことに。さらに、ゲストとして、ヨシオの元カノ・カコ役に長谷川京子、「UNITY UNITY」のスタッフ・ヤマト役に柏木悠(超特急)が出演しています。
今回は、リリーと斎藤にインタビューし、シーズン4の展開や撮影現場でのエピソード、お互いやゲストの印象などについて、お話を伺いました。
スタッフとキャストの身内感の良さが本編に反映されている
――今回はペンション「恋は桃色」が休業していて、別のペンションである「UNITY UNITY」が舞台となる驚きの展開からスタートします。
リリー・フランキー(以下、リリー):「恋は桃色」のロケ地となっているペンションが今回は別の場所に移ったことで描ける家族の話があったので、これはすごくプラスに感じています。
斎藤工(以下、斎藤):場所もですが、季節でいうと、シーズン4までは夏秋冬で撮影していて、春はまだ撮影していませんね。
リリー:真夏と真冬、それに秋の撮影はしましたが、桜はまだ撮れてないので、春に撮りたいのですが、春と夏はハイシーズンなので難しいところです。
――今回のロケ地は熱海ということですが、撮影のオフに熱海を楽しめましたか?
リリー:毎回、この撮影は終わるのも遅く、始まるのも早いので、結局は撮影のペンションと出演者たちが宿泊するペンションを行ったり来たりしているだけで、周りのお店とかもまったく入ったことがないです。
――まさしく合宿みたいな感じですね。
リリー:そうですね。俺と工くん、そして沙莉は朝から晩まで出ずっぱりなのですが、(高木)完ちゃんとかは朝一の撮影を終えたら、次の日まで撮影がないということもあるので、俺たちが帰ってくるのを待っていて、それで飲みすぎてしまうというのはあるかもしれないです(笑)。
斎藤:この作品では、僕らにとってコンビニがいかに大事かということを感じています。地方のコンビニには、その土地特有のものが置いてあるじゃないですか。そのようなものがすごくありがたいなと思うぐらいです(笑)。だから、撮影場所にも愛着が湧いて、次のシーズンが始まると帰ってきたという感じがありました。
リリー:このドラマはスタッフとキャストの身内感の良さが強くあると思います。撮影の後に、食事ぐらいはきちんとしたものを食べたいという感覚すら、俺はもう持っていなくて、コンビニのものがすごく美味しいと思えるような環境です。でも、それが最も多幸感のあることだと思います。都内にいたら、コンビニのものがすごく美味しいとはならないかもしれませんが、同じものを食べても、この仲間と食べると楽しくて美味しいとなります。だから、明日も早いから寝ようと思っていても、(鈴木)慶一さんや完ちゃんが、「もう1杯だけ飲んで寝るか!」と誘ってくるので、「じゃあ、そうしますか」となってしまっていました(笑)。
――プロデューサーの方が、全員が寝るまで見張りをされているそうですね。
リリー:慶一さんが「よし、完ちゃん、これ1杯飲んだらね」と言って、それをプロデューサーがチェックしているんです。でも、「一杯飲んだら寝ますよ」と言った後に、反対側で何かガサガサと音がして、皆が注目するようなことがあると、その隙に完ちゃんがこっそりお酒をつぎ足しています(笑)。
斎藤:そのシーンは本編にも反映されているので、見どころです(笑)。
――スタッフとキャストの間に家族的な関係が築かれているように感じます。
リリー:撮影が終わった後の時間も、本編にすごく反映されています。
斎藤:空気感みたいなものにも表れていると思います。
シロウとヨシオの2人で「男はつらいよ」の寅さん?

――長年バディを組んできたお二人ですが、撮影現場で改めて実感した「お互いの存在の大きさ」や、今だから言える印象を教えてください。
斎藤:そのつど、ヨシオの世代の人が欲しい言葉というか、感覚のようなものをシロウさんが与えてくれるという感じは毎回ありました。実際の自分の世代が逃れられないようなことがあっても、シロウさんの背中が導いてくれることが毎回あって、僕の役作りがどうかというよりも、そこに心を委ねるみたいな現場でした。
リリー:最初に工くんと一緒になったのは映画「blank13」ですが、その前から工くんが出演している作品を見ていたので、不思議と実際に会わなくても、工くんとは近いものを感じていました。誰かが演出して、誰かが書いた脚本を読んでいても、この人とは近いものを感じるというのは意外と分かるものです。ただの想像にもなりますが、海外の俳優さんでもそのようなことを感じることはあります。でも、ドウェイン・ジョンソンには一つも共通の部分はないかな(笑)。
斎藤:リリーさんとドウェイン・ジョンソンに共通の部分があったら嫌です(笑)。
――シーズン4のマドンナとして、長谷川京子さんがゲスト出演されます。
斎藤:長谷川さんは、“長谷川京子”たる何かを残してくださいました。途中参加で、難しい役柄だったと思います。
リリー:途中参加ということもあって、すごく演じにくかったと思います。普通の女優さんであれば、やらないかもしれない。でも、彼女の長年にわたって培われてきた“長谷川京子”らしさは、京子ちゃんが登場したところで半分は完結しているぐらいで、あとは作品に華やかな刺激を与えてくれていました。
斎藤:そのエネルギーはありました。
リリー:京子ちゃんは結構サブカルなんです。世間では、美のカリスマみたいになっていますけど、サブカルなくだらないことにも付き合ってくれます。
――少しコメディーチックな演技も披露されていて、長谷川さんの新たな一面もかいま見ることができました。
リリー:意外とそういう人ですし、声の可愛さが本作における少しコメディーなお芝居にもすごく合っていると思います。
――前回のリリーさんと長谷川さんのインタビューにおいて、長谷川さんはヨシオのはっきりしない感じはタイプではないとのことでした。
斎藤:誰しもが、それはそうだと思います(笑)。僕は、ヨシオに共感してほしいというよりは、誰にでもヨシオのような部分はあるということを思いながら演じています。
リリー:今回は、絆や責任というワードを登場人物たちが言っているのですが、やはり人間が一番持ちたくないものは責任だと思います。ですが、皆が何かしらの責任を取らなければいけないわけですけど、率先して責任を取る人というのはほとんどいなくて、仕方なく取っている。ヨシオは、その責任さえ負わないという生き方をしている風来坊ですね。
斎藤:そうですね。
リリー:言ってみれば、責任からずっと逃げている人の代表というのは、男の憧れでもある「男はつらいよ」の寅さんだと思います。しがらみとか、そういうものから距離を置いている点でも、ある意味でヨシオは寅さん的なところがあります。
――毎シーズンごとにマドンナが登場するのも、「男はつらいよ」シリーズ的なところがあります。
斎藤:今まで本作に登場したマドンナとの関係を考えると、寅さんの役割はシロウさんにもあります。ただし、シロウさんにはハルがいて、ペンションがあるという責任はありますが。
リリー:シロウは、とらやでさくらと一緒に働いている寅さんで、旅する寅さんの部分を担当しているのがヨシオだと思います。
斎藤:分かりやすいですね。
――同じくシーズン4のゲストである柏木悠さんの印象は?
リリー:彼は本当に上手ですね。「この現場はこういうお芝居をした方がいいんだろうな」という勘がすぐに働く。だからといって、そのようなコメディーチックなところにお芝居で入るには、本当にセンスがないと難しいと思います。
斎藤:ドラマ作品としても足りなかったピースを探し出すとしたら、長谷川京子さんであり、柏木悠さんであるのかなと感じます。慶一さんや完さんは、細野(晴臣)さんやリリーさんという系譜から続いているもので、すごくありがたい存在ですけど、性質としてシーズン4で柏木さんがいてくれるというのは、ものすごく大きい気がしています。
シロウとハル、そしてヨシオがまるで3人家族のように

――シーズン4ならではの見どころや、面白さはなんでしょうか?
リリー:毎シーズンごとに、シロウとハルの親子の話はありますが、今回はハルが大人になっていくにつれて起こるだろう親子の話が繰り広げられます。親一人子一人で、シロウは財力にも体力にもどんどん自信がなくなっていくという、すごくありふれた親子の話ですが、一つの家族の話で、みんなが思い悩む現実的なところであり、見どころだと思います。
斎藤:僕はシーズン4を見て、ハッとしたのが、ハルが父親のシロウさんの経済的なことも含めて、自身に言ってくれなかったことに対して、言ってほしかったという一連のシーンでした。壁にぶつかった時に、自分でどうにかしようということより、無理だとしてもシェアするということに、身につまされるものがありました。今回、シロウさんが向き合っているものは、今までよりすごく具体的な困難というか、厳しさみたいなものがあります。ただし、それを1人ではなく、誰かとどうにかしていくみたいなことは、僕にとっては見どころでした。
リリー:それから、「恋は桃色」の外に出ていることから、シロウとハル、そしてヨシオがまるで3人家族になっているような家族感が強くなっています。それとは逆に、今回はヨシオの家族が初めて登場しますが、その家族を出したことによって、シーズン4の展開に幅が広がったので、ヨシオの家族が出てきたのは良かったと思っています。
(取材・撮影・文:櫻井宏充)
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『ペンション・恋は桃色season4』配信概要
| タイトル | 『ペンション・恋は桃色season4』(全5話) |
| 配信スケジュール | FODにて配信中 |
| 出演 | リリー・フランキー/斎藤 工/伊藤沙莉/山口智子/細野晴臣(回想)/長谷川京子/柏木 悠(超特急)/高木 完/鈴木慶一(moonriders)/大水洋介(ラバーガール)/JOY/吉田大八/辻 凪子 他 |
| URL | https://fod.fujitv.co.jp/title/019z(FOD配信ページ) https://www.fujitv.co.jp/pension-koihamomoiro4/(オフィシャルページ) |
