【F1™︎ 2026】代役参戦で10位入賞を果たした角田。新コースでのスペインにも継続参戦
急遽参戦が決定したオランダグランプリ
リザーブドライバーはグランプリウィークにサーキットでチームに帯同しますが、レギュラードライバーが何事もなく出走することになれば、レースでの出番はありません。レースウィーク中は多忙なレギュラーに代わってファンサービスのトークショーを務めたり、チームのVIPゲストをアテンドしたりする、いわばアンバサダーの役割を担います。そんな角田に出走の機会が訪れました。「レッドブル」のアイザック・ハジャーが夏休み中のトレーニングで左手首を負傷し、欠場が決定。オランダで「レッドブル」にはリアム・ローソンが乗り、ローソンの代わりに角田が「レーシングブルズ」の代役を務めることになりました。
ギリシャでバカンス中に急遽呼び出された角田。今季はTPC(旧型車テスト)でF1をドライブしていたものの、2026年レギュレーションのF1マシンに乗るのは初めて。ましてや「レーシングブルズ」のマシン、VCARB 03に関してはシミュレータートレーニングも初めてで、全てが手探りのぶっつけ本番だったのです。初走行となったフリープラクティスをトップから2.1秒差の17番手で終えた角田は、スプリント予選ではQ2まで進み、スプリントレースの12番グリッドを獲得しました。
角田は土曜日のスプリントレースではスタートで順位を落としたものの、13位でフィニッシュ。決勝に向けた予選もQ2進出を果たし、チームメイトのアービッド・リンドブラッドからは0.1秒差。決勝レースではピエール・ガスリー(アルピーヌ)とのサイドバイサイドのバトルでオーバーテイクを披露しつつ、好レースを展開。レース終盤にガスリーにオーバーテイクされ、ポイント圏外に脱落してしまったものの、急遽の代役だったとは思えない走りで自身の存在を世界にアピールしました。

モンツァでは予選で沈むも、決勝では10位入賞
今季、レギュレーションが大きく変わったことで、多くのドライバーがアジャストに戸惑いを見せていました。角田は今シーズン初めてレギュラードライバー以外で代役出走する選手であり、レギュラー相手に苦戦するのではないかという予想もありました。しかし、練習時間が限られるスプリントスケジュールのオランダで角田は入賞目前の位置を走りました。ハジャーの回復はまだ少し時間がかかると判断され、レッドブル陣営はイタリアでも引き続き、角田を「レーシングブルズ」に起用。1戦限りと考えられていたチャンスはもう一度与えられたのです。高速サーキット、モンツァの予選ではマシントラブルが発生して修復作業にも時間を使うことになってしまい、Q1で敗退。チームメイトのリンドブラットがQ3に進出したのとは対照的な予選結果となりました。
細かいトラブル続きだったという角田のマシンですが、日曜日の決勝レースで、15番手からスタートした角田は積極的にインに飛び込んで行き、次々に順位を上昇。一時9位を走行し、チームメイトのリンドブラットとの差も詰めていきました。勢いのあったフランコ・コラピント(アルピーヌ)に抜かれて10位に順位を落としますが、見事に今季初の入賞を果たしました。かつてニコ・ヒュルケンベルグ(当時レーシングポイント)が代役出場で見せた予選3位のようなインパクトは見せられなかったものの、モンツァでのポイント獲得は彼が今後もF1で活動していく上で重要な出来事だったといえるでしょう。
新設のマドリンクで3度目のチャンスが到来

2戦連続でレースドライバーとして充分な戦力になることを示した角田裕毅にはまたもやチャンスが舞い込みました。9月13日(日)に決勝レースを迎える新しいスペイングランプリで、3戦連続で「レーシングブルズ」のステアリングを握ることになったのです。スペイングランプリは今年から首都のマドリード郊外にできた「マドリンク」という半市街地サーキットで開催されることになりました。コンクリートウォールに囲まれたストリートサーキットですが、スピードレンジは非常に高く、コースには高低差があります。さらに最大13.5度のバンクが付いた「ラ・モヌメンタル」が大きな特徴となる新しいサーキットです。
昔と違い、現在のF1ではシミュレータートレーニングを活用しています。初めてのコースでもマシンのセットアップが大幅に外れることはありませんし、ドライバーもコースを事前にシミュレーターで走りますから、初めてでもドライバー間に大幅なラップタイムの差ができる訳ではありません。しかし、レースとなると得意か不得意かの差は出てきます。初レースで上位入賞を飾るほど、パドックにインパクトを与えることができるはずです。
角田はまず、コンクリートウォールへの接触を避け、好タイムを刻んで良い流れを作って行きたところ。そしてルーキーながら入賞を続けて高評価のチームメイト、リンドブラッドの前でチェッカーを受けることが大事です。レッドブル陣営ではマックス・フェルスタッペンの残留が決定しており、シート争いで不確定要素は起こりづらい状況にはなっています。次の世代の若手たちもスタンバイしており、角田が来季のレッドブル陣営のシートを得るのは相当困難であることは変わりありません。しかし、今や日本メーカーのエンジンで走っているわけではない環境下で結果を残すことは、今後のレーシングドライバーとしてのキャリアにも大きく影響することです。
ザントフォールト、モンツァで見せた、角田の積極的なレースはきっと全員が初めてのマドリンクでも見ることができるでしょう。きっとこれが現時点でのラストチャンス。日本が誇るF1ドライバー、角田裕毅の大一番を全力で応援しましょう!
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