2026年のフジテレビ夏ドラマは、作品のジャンルだけを見ても実に多彩! そして、夏ドラマの期待を高めているのが、各作品を手掛ける制作陣の顔ぶれです。過去に大ヒット作や話題作を生み出してきた脚本家、演出家、プロデューサーたちが、それぞれの得意分野を持ち寄り、新たな物語に挑んでいます。
今回は、2026年夏ドラマをより深く楽しむために、制作陣の過去作や持ち味を振り返りながら、新作への期待ポイントを紹介します。
- 1 『HERO』『ガリレオ』のヒットメーカーが仕掛ける新たな月9『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』
- 2 1998年版スタッフが再集結。『GTO』は令和の学校で何を叫ぶ?
- 3 井上由美子×河毛俊作、骨太な人間ドラマを生む名コンビが8年ぶりに再タッグ『さよならノワール』
- 4 35歳女性の“きれいごとでは済まないリアル”『Tokyo middle 30』
- 5 新ドラマ枠の第一弾は、日常と狂気が隣り合うバディサスペンス『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』
- 6 『昼顔』『あなして』のプロデューサーが、あえて“まっすぐな恋”を描く『ラストノート』
- 7 夜の寺から都会へ。心とお腹を満たす“最強バディ”が帰ってくる『ミッドナイト屋台2~ル・モンドゥ~』
- 8 2026年夏ドラマは、“作り手”で見るともっと面白い
『HERO』『ガリレオ』のヒットメーカーが仕掛ける新たな月9『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』
7月20日(月・祝)スタートの月9ドラマ『ブラックトリック~裁きを操る弁護人~』は、GACKTが主演を務める完全オリジナルのリーガルエンターテインメントです。主人公は、敏腕弁護士であり一級建築士でもある異色の人物・浦真鷲直人。依頼人を救うためなら手段を選ばず、“嘘”を武器に巨大権力が作り上げた“嘘”を暴いていきます。
プロデュースを務めるのは、『HERO』シリーズや『ガリレオ』シリーズなどを手掛けてきた牧野正。『HERO』では、型破りながらも自分の目で真実を見極めようとする主人公像が多くの支持を集め、『ガリレオ』では知的な謎解きとキャラクターの魅力が作品をけん引しました。『ブラックトリック』にも、“一見すると常識外れだが、誰よりも本質に迫っていく主人公”という系譜が感じられます。
演出には、『監察医 朝顔』シリーズや『コンフィデンスマンJP』シリーズなどに携わってきた三橋利行らが参加。『監察医 朝顔』のような人間ドラマの丁寧さと、『コンフィデンスマンJP』的などんでん返しの快感。その両方の要素が、“嘘の設計図”で真実を暴く本作とどう結びつくのかが見どころです。
さらに、撮影監督に『キングダム 大将軍の帰還』で日本アカデミー賞・最優秀撮影賞を獲得した佐光朗、照明に同じく最優秀照明賞を獲得した加瀬弘行が参加することも発表されています。リーガルドラマでありながら、映像美やスケール感にも期待できる一作となるでしょう。
1998年版スタッフが再集結。『GTO』は令和の学校で何を叫ぶ?
反町隆史演じる鬼塚英吉が、28年ぶりに連続ドラマとして帰ってくる! 7月20日(月・祝)スタートの月曜22時ドラマ『GTO』は、元暴走族の教師・鬼塚が、生徒や学校の問題に体当たりで向き合う学園ドラマとして、1998年の放送当時に社会現象を巻き起こした名作です。
今回大きなポイントとなるのは、1998年版に携わった脚本・遊川和彦、演出・中島悟、プロデューサー・安藤和久らが再び集結すること。当時の『GTO』は、従来の教師像を覆す型破りな主人公、大胆な演出、そして本音をぶつけ合うセリフの応酬が魅力でした。
遊川和彦といえば、『女王の教室』など、きれいごとでは済まされない問いを突きつけ、時に賛否を呼びながらも強烈なメッセージを残す作風で知られる脚本家です。そんな遊川脚本と、反町隆史の熱量、そして令和の学校が抱える問題がぶつかった時、1998年版とはまた違う“今のGTO”が立ち上がるはずです。
井上由美子×河毛俊作、骨太な人間ドラマを生む名コンビが8年ぶりに再タッグ『さよならノワール』
7月7日(火)スタートの火曜ドラマ『さよならノワール』は、小池栄子と北香那がバディを組む警察ヒューマンドラマです。警視庁西池袋署に新設された犯罪被害者支援室を舞台に、元刑事と心理学者が、犯罪被害者や遺族に寄り添っていきます。
脚本を手掛けるのは、『白い巨塔』『緊急取調室』シリーズなど、社会性のあるテーマと濃密な人間ドラマを描いてきた井上由美子。近年では、2025年の『愛の、がっこう。』でも、立場や価値観の違う人間同士が関係を築いていく姿を描き、話題を集めました。
演出を担当する河毛俊作は、『きらきらひかる』『救命病棟24時(第4シリーズ)』など、命や心の揺れを扱う作品を手掛けてきた演出家です。井上由美子とは『ギフト』などでタッグを組んできた関係で、今作は『パンドラⅣ AI戦争』以来、8年ぶりの再タッグとなります。
小池栄子演じるぶっきらぼうな元マル暴刑事と、北香那演じる理屈先行型の心理学者。正反対の二人が、傷ついた人々にどう向き合い、互いにどう変わっていくのか。事件の刺激よりも、人の痛みと回復に焦点を当てた、静かに深く残るドラマになりそうです。
35歳女性の“きれいごとでは済まないリアル”『Tokyo middle 30』
7月22日(水)スタートの『Tokyo middle 30』は、中国で大ヒットした『Nothing But Thirty』(『30女の思うこと~上海女子物語~』)を原作にした日本版リメイク。主演は仲里依紗で、35歳という人生の分岐点に立つ女性たちの恋、仕事、家庭、友情を描きます。
脚本を担当する北川亜矢子は、FOD版『東京ラブストーリー』などを手掛けてきました。恋愛のときめきだけでなく、選択の痛みやすれ違いを描く作風は、“ちゃんと大人。でも、まだ揺れている”35歳の物語とリンクすること間違いなしです。
北川は公式コメントで、女性の30代について「キャリア、結婚、妊娠、出産など、その先の人生を大きく左右する選択を、一気に迫られる時期」と表現しています。鹿内植プロデューサーも、35歳という年代を「若いと胸を張って言えるでもなく、まだまだ歳を感じる世代でもない」と語っており、きれいごとで包まず描く『Tokyo middle 30』は、多くの視聴者にとって“自分のことかもしれない”と思えるドラマになるはずです。
新ドラマ枠の第一弾は、日常と狂気が隣り合うバディサスペンス『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』
7月1日(水)スタートの『今夜もシリアルキラーと待ち合わせ』は、カンテレ・フジテレビ系の新たな全国ネット連続ドラマ枠「水ドラ★イレブン」の第一弾。横山裕がフジテレビ系連続ドラマ初主演を務め、関水渚とバディを組みます。
プロデューサーの中林佳苗は「シリアルキラー」という非日常的な言葉と、「待ち合わせ」という日常的な言葉の組み合わせに惹かれたと語っています。猟奇的な事件や特殊能力という刺激的な要素がありながら、横山と関水によるバディの掛け合いにはユーモアやテンポ感も期待できます。
中林プロデューサーは過去、『ロンダリング』のプロデューサーや、『未恋~かくれぼっちたち~』の脚本に参加しています。原作の持つサスペンス性とファンタジー性に加え、ドラマ版ならではの演出をどう混ぜ合わせるか、期待がふくらみます。
『昼顔』『あなして』のプロデューサーが、あえて“まっすぐな恋”を描く『ラストノート』
7月9日(木)スタートの木曜劇場『ラストノート』は、内田有紀と寺西拓人がダブル主演を務める大人の純愛ドラマ。環境も年齢も、積み重ねてきた人生も違う二人が静かに惹かれ合い、人生で最も激しい恋へと導かれる姿が描かれます。
プロデューサーは、『昼顔~平日午後3時の恋人たち~』『わたしの宝物』などを手掛けてきた三竿玲子。これまで“不倫”“托卵”といったセンセーショナルな題材を、単なる刺激ではなく、登場人物の痛みや葛藤を伴う大人の恋愛ドラマとして描いてきました。
そんな三竿が今回選んだのは「歳の差」。ただし、公式コメントで語られているのは、タブーや背徳ではなく、「あえてまっすぐな恋愛を描きたい」という思いです。これまで少し毒のある恋愛ドラマを手掛けてきたからこそ、今回は「これが私の物語だったらいいのに…」と憧れを抱けるような作品を目指しているといいます。
脚本を担当する的場友見は、『夫よ、死んでくれないか』『復讐の未亡人』などで、夫婦問題や復讐劇といった強い題材を扱いながら、人間ドラマを描いてきた脚本家です。三竿プロデューサーの“リアルな愛憎”と、的場脚本の“心の奥にある本音”が重なれば、甘いだけではない、余韻の残るラブストーリーになるでしょう。
夜の寺から都会へ。心とお腹を満たす“最強バディ”が帰ってくる『ミッドナイト屋台2~ル・モンドゥ~』
2025年に放送された『ミッドナイト屋台~ラ・ボンノォ~』の続編『ミッドナイト屋台2~ル・モンドゥ~』が、視聴者からの好評を受けて7月4日(土)より地上波放送されます。
本作の演出には、シーズン1から引き続き清水康彦、草場尚也、大内田龍馬、山口龍大朗らが参加し、シーズン2では佐佐木基入も名を連ねています。
なかでも清水康彦は、映画『その日、カレーライスができるまで』で監督を務めた人物です。同作は、カレーという家庭的な料理を軸に、日常の中にある記憶や感情をすくい上げる作品として愛されています。
2026年夏ドラマは、“作り手”で見るともっと面白い
2026年のフジテレビ夏ドラマは、ジャンルの幅広さだけでなく、制作陣の個性が際立っています。脚本家、演出家、プロデューサーの過去作や持ち味を知ると、物語の見え方が少し変わることでしょう。
この夏はぜひ、“誰が作っているのか”にも注目しながら、フジテレビ夏ドラマを楽しんでみてはいかがでしょうか。