家族の絆が感じられるドラマはどの世代にも心に刺さるものがあるのではないでしょうか。自身の成長と共に共感するキャラクターも変化し、家族間の愛や葛藤、成長を描いた作品は、見るたびに心に残ります。今回は、そんな家族愛をテーマにした感動的なドラマを5つ厳選しました。家族の大切さを再確認できるような、心に響くストーリーばかりです。ぜひ、心ゆくまで楽しんでください。

阿部サダヲ、芦田愛菜、鈴木福が紡ぐ家族の形『マルモのおきて』

 
2011年に放送されたドラマ『マルモのおきて』は、30代の独身サラリーマン・高木護（阿部サダヲ）が、亡くなった親友の忘れ形見である幼い双子・薫（芦田愛菜）と友樹（鈴木福）を引き取り、懸命に育てながらも共に生きる姿を描いた笑いあり、涙ありのホームドラマです。

高木護は野球部時代にバッテリーを組んでいた投手、笹倉純一郎（葛山信吾）と久しぶりの再会を果たしますが、後日、純一郎が末期がんで亡くなったと知り激しく動揺。護は純一郎が男手ひとつで育てていた双子の薫と友樹がそれぞれ別の親戚のもとに引き取られるという事実を不憫に思い、二人と犬のムックを引き取る決意をします。

そうして始まった三人と一匹の共同生活。小学生以来、裁縫などしていなかった護が双子のために手提げバッグを作ったり、友人と喧嘩してしまった薫と衝突したり、急に“保護者”となった護は苦戦しながらも、双子のために慣れないことに奮闘。双子たちも現実を受け止めながら、護との間に「おきてノート」を作り歩み寄っていきます。

不器用ながらも「家族」となっていく姿に心打たれる物語が展開していきますが、双子の実母が登場することで、さらに“家族とは”ということを深く考えさせられます。ノートの最後に書かれた「はなればなれでも家族」という“おきて”。急に“家族”となった護と双子がどんな選択をするのか、最後まで見逃せません。

FODでは全11話の本編と共に、スペシャルドラマ版2本も配信されています。成長した薫と友樹の姿に、親心が芽生えたような気持ちになります。ぜひ併せてご確認ください。

6人兄弟の家族の絆を描く『ひとつ屋根の下』

江口洋介、福山雅治、酒井法子、いしだ壱成、大路恵美、山本耕史、内田有紀、山本圭ら錚々たる俳優陣が出演したドラマ『ひとつ屋根の下』。実業団のマラソンランナーとして九州で活躍していた長男・達也（江口）医学生の二男・雅也（福山）、商事会社のOLである長女・小雪（酒井）、おしぼり配送工場で働く三男・和也（いしだ）、高校生の二女・小梅（大路）、そして四男・文也（山本）の6人兄妹の物語を描いています。

達也の両親は7年前に交通事故で亡くなり、6人の兄妹はそれぞれ親類に預けられバラバラになりました。達也が自身の婚約を報告するために生き別れになった兄弟達を訪ね歩くことから物語が展開していきます。

妹の小雪以外は達也を拒絶していましたが、徐々に理解を示しやがて達也の下で兄弟皆が暮らすようになります。喧嘩ばかりな日々でお互いに素直な気持ちをぶつけ合うことで、少しずつ絆を深めていく兄妹たちですが、小雪だけ家族と血がつながらないことが明らかになり家出するなどの波乱も。

喧嘩していてもお互いへの思いは強く、達也の家族愛と熱い言葉の数々は、家族だけでなく視聴者の心をも震わせます。大きな問題に兄妹でどう向き合っていくのか。特に最終回に向かうにつれて、涙を誘う名シーンに注目です。

FODでは全12話の『ひとつ屋根の下』に加え、小雪の白血病が明らかになる『ひとつ屋根の下2』も配信中です。

石原さとみ＆松下奈緒が凸凹姉妹に！『ディア・シスター』

2014年に放送された『ディア・シスター』は、自由奔放で天真らんまんな妹と真面目で不器用な姉が織りなす切ないラブコメディー。物語は、高校卒業から音信不通状態だった妹・美咲（石原さとみ）が、姉・葉月（松下奈緒）の前に突然姿を現したことから始まります。

区役所で働く葉月は、子供時代から今に至るまで、妹が起こす騒動に巻き込まれて人生の大事なイベントを何度も台無しにされてきました。そんな美咲の登場に葉月は怒りを見せ、家から追い出すことを決めますが、美咲は葉月をなだめつつある計画のために動き出します。

葉月は美咲のせいで婚約者と別れることになり、社内ではそのことで散々な目に遭うこともありました。しかし、話が進んでいくと、そんな“小悪魔的”な美咲の行動の裏にあった真意と美咲の秘密が明らかになっていきます。岩田剛典（EXILE／三代目 J Soul Brothers）、平山浩行、田辺誠一らが演じる男性キャラも絡まり、“見えなかった愛”が見えてきます。

姉のため、妹のために自分ならどこまでできるのか。意外と強い美咲と、意外と弱い葉月、真反対のタイプの姉妹の姿を見ていると、自分の兄弟や家族をさらに愛おしく思えるでしょう。

香取慎吾主演！男3人とクールな子供の成長物語『人にやさしく』

2002年に放送された香取慎吾主演ドラマ『人にやさしく』。本作は、“3ピース”の看板を掲げた一軒家に同居する前田前（香取）、山田太朗（松岡充）と大坪拳（加藤浩次）の男3人が、ある日突然、小学生の男の子・五十嵐明（須賀健太）を育てることになる青春“子育て”グラフィティーです。

両親がおらず1歳から施設で育った前と、親に捨てられる形で原宿にやってきた太朗と拳。家族の愛を知らずに育ったという同じ境遇ながら、親との別れ方の違いから考え方もすれ違い、明のことで対立することも度々ありました。それでも3人は協力し合い、明も徐々に心を開き、“家族”が出来上がっていきます。

幼少期、知ることができなかった“家族の愛”を、明に与える3人。それぞれの信念を明に教えることで、自分の人生とも真剣に向き合い、全員で前進していくことになります。“父”というものを知らずとも、大声で笑い、涙を流し合いながら父親になっていく3人と明が、どう成長していくのかが見どころです。

二宮和也主演！『フリーター、家を買う。』

 2010年に二宮和也主演で放送されたドラマ『フリーター、家を買う。』は、「図書館戦争」を手掛けた有川浩原作の小説「フリーター、家を買う。」のドラマ化作品。3ヶ月で就職先を辞めた、夢なし、貯金なし、かい性なしのフリーター・武誠治（二宮）が、ある出来事をきっかけに仕事に対する思いや、家族再生の希望をみつけていく物語です。

大学卒業後、そこそこの中堅企業に勤めていたものの、会社になじめず部長とも意見が合わず3か月で退社した誠治は、母・寿美子（浅野温子）が重度のうつ病であることを知り、ことごとく失敗してきた転職活動に本腰を入れて土木会社でアルバイトすることに。

そして、日々の肉体労働や仕事仲間との関係を通して、仕事のやりがいや「働いて金を稼ぐこと」の意味を理解し、自分の弱さや甘さを認め、成長していきます。そして今の家が母のうつ病の原因となっていることもあり、母を守るため「家を買う」という目標を立てます。

大人になっても、親にはついつい甘えてしまうもの。誠治だけでなく、うつ病の原因を作ることになってしまった父・誠一（竹中直人）も寿美子に“甘えっぱなし”だったため、寿美子は大きな苦しみを抱えることになってしまいます。誠治のように自分の弱さや甘さと向き合い、受け入れることは難しいかもしれません。それでも、本作を見れば家族のために頑張ることの強さを感じ、勇気をもらえるでしょう。

FODでは、全10話の本編に加え、原作にはない新しい家を手に入れた誠治たち武家のその後をオリジナル脚本で描いた『フリーター、家を買う。スペシャル』も配信中です。