FODで配信中の『ペンション・恋は桃色season4』。『ペンション・恋は桃色』シリーズは、いつもテキトーな父・シロウ(リリー・フランキー)とその娘・ハル(伊藤沙莉)、そして住み込みバイトのヨシオ(斎藤工)が営む、ちょっと古いペンション「恋は桃色」を舞台に描くハートフルコメディです。
今シーズンでは、シロウたちが営む「恋は桃色」がリフォームに入ることとなり、一同は海の見えるペンション「UNITY UNITY」で働くことに。さらに、ゲストとして、ヨシオの元カノ・カコ役に長谷川京子、「UNITY UNITY」のオーナーの息子・ヤマト役に柏木悠(超特急)が出演します。
今回は、リリーと長谷川にインタビューし、本作の魅力や撮影現場でのエピソード、シーズン4の物語などについて、お話を伺いました。
実際にペンションに泊まるからこそ生まれる空気感が魅力のドラマ
――2020年からシーズン1が始まり、ついにシーズン4となりますが、ここまで続いた本作の魅力とは?
リリー・フランキー(以下、リリー):シーズン1の時から、これは続いていくと思っていたのですが、なかなか次が始まりませんでした。ですけど、シーズン2が決まってからシーズン4まで順調にきています。俺が若かった時には、こういうドラマを見たかったと思っていましたし、参加したいと思えるような空気感がいい作品です。そういう魅力へと最終的になっていますけど、それもハードな撮影事情から生まれているものなんです。実際に、ロケ地となっているペンションへ泊まり込んで全5話の撮影を5日間でやらなければいけないのですが、正常なスケジュールだったら、この空気感は生まれたかどうか怪しいです。だから吊り橋効果で、いい感じになっているのだと思います(笑)。
――実際にペンションへ泊まって撮影というのは、合宿のようですね。
リリー:本当に合宿です。それに、スケジュール的に余裕もないので、例えば、雪が降って、普通であれば撮影ができないとなっても撮影を延ばすことができないことから、それならば話を変えようみたいなことも起きます。そういうのは泊まっているからこそじゃないでしょうか。それから、工くんがドローンを持ってきて、山でドローン撮影したものをカラオケ映像に使ったり、エンディングに使ったりもしています。
――シーズン4では別のペンションが舞台となっていますが、それも何か理由が?
リリー:シーズン3まで撮影に使用させていただいていたペンションがシーズン4では使えないとなって、そこから打ち合わせでどうするかとなり、今回のような設定になりました。
――瞬発力とアドリブ感のある撮影現場ですね。
リリー:そうですね、その場で生まれているものは多くありますが、無茶苦茶なアドリブをしているかというと、そうでもないと思います。
長谷川京子(以下、長谷川):そうなんです。いわゆる、シーンが終わった後に余白で少し遊ぶ感じです。
リリー:セリフが終わっているのに監督がカットをかけずに、余白待ちをしているんです。だから、本編は意外と台本通りに進んでいます。
――長谷川さんは、そのような作品に出演されてみて、どのような印象を持ちましたか?
長谷川:本当に限られた日程の中で、撮影をしなくてはいけないのですが、クオリティーは下げたくないという皆さんの意気込みをすごく感じました。撮影の前に、アドリブが行き交うというお話も聞いていたので、覚悟はしていましたが、台本上のセリフを損なうようなアドリブはもちろんないので、そこに乗った上で、自分がいかに遊べるか、余白を持てるかという意味では、すごく勉強になったと思います。
リリー:アホみたいなシーンにいる京子ちゃんがすごくいいので、そこは見どころです(笑)。
長谷川:ただ私は変わらずに、周りの方がふざけながらも協力し合っているんです。セリフのタイミングを見失っているキャストの方がいると、リリーさんが目配せをしながら合図をするということもありました。でも、表面的にはガヤガヤしているみたいな、そういうチームワークがすごく好きでした。
――長谷川さんもアドリブをしましたか?
長谷川:アドリブはしてないです(笑)。無理をするとやっぱりイタい人になるので、さすがに、無理はしない方がいいと思っていました。ですが、工くんとの2人のシーンでは、工くんが妙な間をとってくるので、アドリブのような感じに見えると思います。
リリー:たぶん、工くんはセリフを覚えてきてないんだと思います。それが間に見えている(笑)。
長谷川:どっち?みたいなところで、それを間に見せるのもプロだと思いました。
リリー:工くんはセリフが出てこなくても、それなりに見えてしまう。
長谷川:そうなんです。ですけど、それも才能だと思いますし、それはそれで楽しいと思います。ただ、私は無理に何かアドリブをしなくてはというのはやらないです。
リリー:1番アドリブをしていたのは工くんかもしれない。俺も沙莉もアドリブはさほどやってないです。工くんのアドリブは最後までそれで行くのかというので来るんです。シーズン4の第1話では、メカヨシオというアドリブをしてきましたが、3回は撮り直しをしました。でも、3回ともメカヨシオのアドリブでした(笑)。

長谷川京子と撮影現場で恋が生まれたかも!?
――そもそも、長谷川さんの出演はどのような経緯だったのですか?
長谷川:私はリリーさんからオファーを頂いたと思っていました。
リリー:京子ちゃんのポッドキャストに俺が初ゲストで出演した回を、本作のプロデューサーが聞いて、京子ちゃんに出演のオファーをお願いしようと思ったそうです。その時は、「出演してくれるのであればうれしいけど、京子ちゃんは忙しいので、迷惑だからやめよう」と言ったんです。
――オファーの時点で、今回の役どころは決まっていたのですか?
長谷川:元カノを出したいというのがもともとあって、役どころは決まっていたそうです。
リリー:プロデューサーが当たって砕けろなタイプなんです。それは絶対に無理ではないかというところから電話をするタイプ。
長谷川:私としては本当にうれしかったですし、光栄なオファーでしたので、分からないものです。とりあえず当たってみるというのは必要だと思います(笑)。
――長谷川さんも実際にペンションへ宿泊したのですか?
長谷川:私は別の場所に1泊だけでした。
リリー:俺らと同じペンションだと、絶対にずっと遅くまでお酒を飲んでしまうから、女優さんにはあまりいい環境ではないと思います(笑)。
長谷川:最初は、全く違う宿泊場所を勧めていただいていました。後から、リリーさんたちと同じペンションもお勧めしていただいたのですが、その時は最初にお勧めいただいたところに決めてしまっていました。
リリー:そこで良かった。撮影が夜1時ぐらいに終わるのですが、俺らの泊まっていたペンションは、全員が寝るまでプロデューサーが寮長みたいに見張っているんです(笑)。でも、(高木)完ちゃんとか(鈴木)慶一さんが見てない隙に酒をついで、飲み会になってしまう。
長谷川:5日間ベタの撮影でしたら、ご一緒に泊まらせていただきたかったです。残念でした。
リリー:もし、京子ちゃんが俺らと一緒にずっと泊まっていたら、最終日にはみんなで告っていたと思います。
長谷川:恋が生まれたかもしれませんね(笑)。
長谷川京子のタイプはヨシオ?それともシロウ?
――ゲストの長谷川さんは、シロウではなくてヨシオの元カノ役となります。
リリー:今回はヨシオの恋の話になりましたが、シーズン4を見た人はヨシオの煮え切らない感じがイライラするかもしれません(笑)。
長谷川:工くんとは何回も共演しているので、今回もすごくやりやすかったですけど、ヨシオとしては、あの煮え切らない感じはタイプじゃないです。ハッキリしている方がいい。
――逆にシロウさんの方がタイプですか?
長谷川:でも、シロウさんもはっきりしてないんですよ。
リリー:シロウは意外と全編を通して好きとも言ってないし、キスをしている時があっても、実際にはされているんです。でも、工くんと京子ちゃんの立ち姿はやっぱり綺麗でした。このドラマに全くない映像でした。工くんはこのドラマの中では冴えない男ですが、横に京子ちゃんがいると、「やっぱりかっこいいんだ」と工くんの良さを引き出していました。
長谷川:本当ですか?
リリー:普段、俺らは工くんの良さを引きはがしているんです。工くんの良さを出さないようにしている(笑)。
長谷川:違う良い面を出しているのだと思います。
――その他のゲストとして、ヤマト役に柏木さんとジョージ役に高木さんが新たな舞台となるペンションを経営する親子役で出演となります。
リリー:柏木くんもすごく良かった。コンサートを翌日に控えているのに、撮影に来てくださって、本当に無理をしながらも来てくれました。
長谷川:柏木さんとはお疲れ様の時のご挨拶でしかお会いできなかったので、残念でした。
リリー:コミカルなお芝居もしっかりできるタイプで、完ちゃんとの親子役がすごく良かったです。
長年の親子役でリリーが抱く心情は実の親そのもの
――リリーさんは、ハルを演じる伊藤さんとシーズン1から親子役として共演を重ねてきていますが、関係性などに変化を感じていますか?
リリー:撮影期間で言えば、一つのシーズンで5、6日ですけど、6年ぐらいという長い期間を経ると、その役を演じていることが自然になってきます。特に親子という役を6年ぐらい演じるのは、他の映画やドラマでもなかなかないことなので、自然な関係になってきます。それもあって、沙莉にはずっと子供でいてほしいと思うようになっているのですが、それは親の気持ちなのかと思います。シーズン4の撮影の休憩中でも、沙莉が最近はピラティスへ行っているとか、アクセサリーに興味があるとか言い出していて、「何だか大人になってしまって嫌だな……」と思う気持ちがありました。でも、撮影が終わって、帰る時にはクレヨンしんちゃんのTシャツを着ていて、「それそれ!」と思っていました(笑)。やっぱり、ずっと娘でいてほしいという気持ちがあるのだと思います。
(取材・撮影・文:櫻井宏充)
2026年7月31日(金)20時より全5話が一挙配信されるFODオリジナルドラマ『ペンション・恋は桃色 season4』の完成披露イベントが7月24日(金)に開催され、リリー・フランキー、斎藤工、柏木悠(超特急)、高木完らキャスト陣が登壇し[…]
『ペンション・恋は桃色season4』配信概要
| タイトル | 『ペンション・恋は桃色season4』(全5話) |
| 配信スケジュール | ODにて配信中 |
| 出演 | リリー・フランキー/斎藤 工/伊藤沙莉/山口智子/細野晴臣(回想)/長谷川京子/柏木 悠(超特急)/高木 完/鈴木慶一(moonriders)/大水洋介(ラバーガール)/JOY/吉田大八/辻 凪子 他 |
| URL | https://fod.fujitv.co.jp/title/019z(FOD配信ページ) https://www.fujitv.co.jp/pension-koihamomoiro4/(オフィシャルページ) |
