11月22日は「いい夫婦の日」。理想の夫婦像が語られがちですが、現実の夫婦関係は十人十色。幸せなばかりではなく、様々な事情やすれ違い、そして誰にも言えない「約束」を抱えているものです。
FODで配信中のドラマには、そんな一言では表せない多様な「夫婦のカタチ」が描かれた作品も多くあります。
この記事では、フジテレビで放送中のドラマ『小さい頃は、神様がいて』を中心に、FODで観られる様々な夫婦の物語をピックアップ。「いい夫婦」とは何か、考えるきっかけになるかもしれません。
『小さい頃は、神様がいて』愛しているからこそ選ぶ、「離婚」という新しい夫婦のカタチ

本作の物語は、19年前、小倉夫婦があることがきっかけで「子どもが二十歳になったら離婚する」という約束を交わすところから始まります。その言葉をすっかり忘れてマイペースに生きてきた夫・渉(北村有起哉)と、その言葉を心の支えとして過ごしてきた妻・あん(仲間由紀恵)。全く異なる想いを抱えた二人の何気ない日常の中で、少しずつ心を揺らしていく姿を、繊細かつ軽やかに描いていています。
夫・渉は家族を愛していますが、妻の孤独や「母親」という役割に縛られる苦しみに無自覚。一方、妻・あんは夫を嫌いになったわけではなく、「私」としての人生を取り戻すために、19年前の「子どもが二十歳になったら離婚する」という約束を支えに生きてきました。
お互いを認め合い、感謝し合いながらも、個々の人生のために「夫婦」という形を解消しようとする二人。その姿は、結婚の継続だけが「いい夫婦」の正解ではないことを問いかけます。切なくも温かい、大人の“卒業”のような夫婦像がここにあります。
【1話~7話プレイバック:家族全員で受け入れた“約束”】
娘・ゆず(近藤華)が二十歳になるまであとわずかとなる台風の夜、夫・渉に「19年前の離婚の約束は生きている」と突きつけた妻・あん。当初は狼狽し、約束を「一方的だ」と拒絶した渉。二人は娘にバレないよう、夜の洗車場の車内で口論を繰り返す奇妙な日々を送ることになります。
そんな中、あんはマンションの住人たちの前で「渉が嫌いなわけじゃない。母親ではない自分を取り戻したい」と涙ながらに本音を告白。その切実な想いに触れ、渉は一度「愛してるから離婚する!」と号泣し、離婚を受け入れる姿勢を見せるようになりました。
その後、長男・順(小瀧望)と長女・ゆずが、実は幼い頃から「両親の離婚の約束」を知っていたことが判明。おでんパーティーの翌日、家族4人で開かれた会議。子供たちは両親の決断を尊重し、あんは子供たちに謝罪と感謝を伝えます。
渉はあんに、離婚後の生活費を心配するメモを渡し、「あんが貧しくなるのは絶対に嫌だ」と伝えます。また、あえて些細な書類を会社に届けさせるなど、不器用ながらも最後まで「夫」として妻に関わろうとする渉。
離婚へのカウントダウンが進む中、小倉家は皮肉にも、今まで以上に互いを思いやる「家族」となっていきました。
11月27日(木)放送の第8話では、あんが既に決めていた「離婚後の新居」の内見に、渉だけでなく、順とゆずも同行するという展開に。「これから別れる妻の新居を、家族全員で見に行く」という、奇妙で、けれど小倉家らしい温かさに満ちた時間が描かれます。別れが近づくほどに深まる絆。彼らが最後に選ぶ“夫婦のカタチ”、そして“家族のカタチ”に注目です。
『めおと日和』『知ってるワイフ』FODで観る様々な“夫婦のカタチ”
『小さい頃は、神様がいて』以外にも、FODでは多様な夫婦の物語が楽しめます。
『波うららかに、めおと日和』:ピュアすぎる“交際0日”夫婦の初々しさ
戦前の昭和を舞台に、縁談で結ばれた“交際0日”夫婦、なつ美(芳根京子)と瀧昌(本田響矢)。恋愛経験ゼロの二人によるもどかしくも愛らしい新婚生活が描かれています。純粋に相手を想い合うピュアな2人に胸打たれ、“推しカプ”を見守りたくなるような初々しさ全開の物語です。
『知ってるワイフ』:もし過去に戻れたら? “やり直し”で気づく夫婦愛
「結婚生活、こんなはずじゃなかった!」と恐妻家・元春(大倉忠義)が嘆く夫婦生活。ある日突然過去にタイムスリップし、妻を入れ替えるという願いが叶ってしまいます。しかし、人生をやり直す中で、元春は妻・澪(広瀬アリス)の大切さに改めて気づくことに。「本当に大切な人」とは誰かを問い直す、“やり直し”の物語が描かれています。
『忍者に結婚は難しい』:絶対に相容れないはずの“敵同士”夫婦
ライバル関係にある甲賀忍者(菜々緒)と伊賀忍者(鈴木伸之)の末裔が、互いの正体を知らずに結婚。ラブラブだったのは最初だけ、生活スタイルも価値観も正反対ですれ違い、離婚寸前の状況に。「超実力主義」の嫁と「超保守主義」の夫が、互いの裏の顔(忍者)と夫婦あるあるに直面する、異色のラブコメディです。
『あなたがしてくれなくても』:“レス”という壁に直面する二組の夫婦
奈緒、永山瑛太、岩田剛典、田中みな実演じる二組の夫婦が、「セックスレス」という共通の悩みを抱え、関係が揺らいでいく姿を描いた話題作。仲が悪いわけではない、相手を嫌いになったわけでもない…それでも満たされない二組の夫婦が直面する、リアルで禁断の恋愛ドラマです。
「いい夫婦の日」にこそ考えたい“二人”の関係
FODには、誰もがうらやむ理想の夫婦だけでなく、悩み、すれ違い、ぶつかり合い、そして新しいカタチを模索する多様な「夫婦」の物語が詰まっています。
『小さい頃は、神様がいて』の渉とあんのように、長い時間をかけて生まれた“ズレ”と向き合い、別れることで新たな絆を結ぼうとする夫婦もいれば、『あなたがしてくれなくても』のように、リアルな問題に直面する夫婦もいます。
「いい夫婦の日」だからこそ、これらのドラマを通して、ご自身にとっての「いい関係」とは何かを考えてみてはいかがでしょうか。
『最後から二番目の恋』や『ちゅらさん』など、数々の名作ドラマを手掛けてきた脚本家・岡田惠和。待望の最新作『小さい頃は、神様がいて』が、10月9日(木)22時からスタートします。 心に残るセリフ、愛すべき登場人物たち、何気ない日常を特別[…]
『小さい頃は、神様がいて』(C)フジテレビ
『波うららかに、めおと日和』(C)西香はち/講談社(C)フジテレビ
