2025年10月13日(月)22時から草彅剛とカンテレによる「黄金タッグ」の新ドラマ『終幕のロンド —もう二度と、会えないあなたに—』が放送開始します。本作は、シングルファーザーで遺品整理人の主人公が、さまざまな事情を抱えた家族に寄り添う心温まるヒューマンドラマです。
草彅剛×カンテレと言えば、余命宣告を受けた教師を演じ日本中を涙させた『僕の生きる道』から始まった「僕シリーズ」が印象に残っているでしょう。彼らが創り出す物語は、なぜこれほどまでに私たちの心を掴んで離さないのでしょうか。
放送開始が待ちきれない新作の見どころと共に、ドラマ史に燦然と輝く傑作シリーズの魅力に改めて迫ります。
新ドラマ『終幕のロンド』— 草彅剛が挑む「静」の演技、その見どころ
本作で草彅が演じるのは、5年前に妻を亡くし、一人息子を育てる遺品整理人・鳥飼樹。静かな佇まいの奥に深い悲しみを秘め、遺品に刻まれた故人の「最期の声」に真摯に耳を傾ける繊細な役どころです。これは、『僕シリーズ』でも多くの視聴者の心を揺さぶった、セリフ以上に雄弁な表情や佇まいで魅せる草彅の「静」の演技、その真骨頂に期待が高まります。
遺品整理という仕事を通して「生と死」のテーマに深く切り込み、命の尊さと人との絆を問いかける本作。さらに、中村ゆり演じる、愛のない結婚生活に心をすり減らす人妻・御厨真琴との出会いから、切なくも温かな「大人のラブストーリー」が紡がれていきます。
色褪せぬ金字塔 ― なぜ「僕シリーズ」は語り継がれるのか
草彅剛×カンテレドラマを語る上で欠かせないのが、今なお多くのファンの心に残り続ける「僕シリーズ」です。
『僕の生きる道』(2003年)
平凡で無気力な毎日を送っていた高校の生物教師・中村秀雄。彼がスキルス性胃がんで余命1年と宣告されたことから物語は始まります。死を意識したことで初めて「生」と向き合い、「残りの人生を、意味のあるものにしたい」と決意。これまで本気で向き合ってこなかった生徒たちと合唱コンクールを目指し、同僚の女性教師と愛を育み、残された時間を全力で駆け抜ける姿は、多くの視聴者の涙を誘いました。
『僕と彼女と彼女の生きる道』(2004年)
仕事一筋で家庭を全く顧みなかった銀行員・小柳徹朗。ある日、妻から離婚届を突きつけられ、娘の凛ちゃんを一人で育てることになります。最初は娘とのコミュニケーションすらままならなかった徹朗が、凛ちゃんの健気さや純粋さに触れる中で、次第に父親としての愛情に目覚めていく姿が丁寧に描かれました。不器用ながらも必死に娘と向き合い、「家族」とは何かを学び直していく過程は、温かな感動を呼びました。
『僕の歩く道』(2006年)
先天的な障害(自閉症)を持つ31歳の青年・大竹輝明が主人公。動物園で働きながら、自分のペースで真っ直ぐに生きる輝明。彼の純粋さや嘘のつけない性格は、時に周囲との間に摩擦を生みますが、そのひたむきな姿は、次第に家族や同僚たちの心を溶かし、彼らが忘れかけていた大切なものに気づかせていきます。輝明というフィルターを通して見る世界の美しさや、人と人との繋がりの温かさを描き出し、「人と違うことは、個性なんだ」という力強いメッセージを届けた名作です。
シリーズに共通するのは、困難な状況の中でも懸命に光を見出そうとする主人公の姿を通して、私たちに「生きること」の意味を問いかけてくる点です。草彅演じる主人公の痛みや喜び、そして成長を、観る者がまるで自分のことのように感じてしまうほどの圧倒的な表現力こそが、このシリーズを不朽の名作たらしめていると言えるでしょう。
『終幕のロンド』放送開始を前に、草彅剛×カンテレが贈る珠玉のドラマシリーズを振り返ってみてはいかがでしょうか。『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』『僕の歩く道』、そしてもう一つの名シリーズの1作、ドラマ『罠の戦争』をFODで配信中です。
『終幕のロンド —もう二度と、会えないあなたに—』(C)カンテレ
『僕の生きる道』(C)関西テレビ/共同テレビ
『僕と彼女と彼女の生きる道』(C)関西テレビ/共同テレビ
『僕の歩く道』(C)関西テレビ/共同テレビ