【ネタバレ】トラブルのフラグが乱立!『もしがく』に漂う不穏な影

初日に向けてWS劇場の反撃が始まるかと思いきや、雲行きはどんどん怪しくなるばかりの『もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう』。第6話は、いわば2幕に向けての幕間。だが、いたるところに不吉な種がばら撒かれていた。

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リカVS樹里。打ち上げ会場が突然の大奥に

今回の見どころは、これまでWS劇場に否定的だった江頭樹里(浜辺美波)。久部三成(菅田将暉)の手がけた『夏の夜の夢』を観て、ころっと寝返り。終演後の久部をいそいそと出待ちして感想を伝え、ちゃっかり初日打ち上げにまで混ざり込むという、一夜にしてTO(トップオタ)へと豹変した。

だが、久部の態度は案外冷たい。出来に納得のいっていない『夏の夜の夢』を褒められたところでうれしくないのだろう。「君は幸せな人だな」と明らかに見下した態度をとる。ある意味、芸術家としては潔癖と言えるが、人間としては相当嫌なやつだ。

4話のラストあたりで久部の性格にもようやく変化が見られたかと思ったけど、ひとりよがりな気質はそう簡単に変わるものではないらしい。是尾礼三郎(浅野和之)に自慢の舞台美術にケチをつけられたときもスタッフに責任をなすりつけ、蚊取り線香という発想を褒められると自分の手柄に。上司にしたくない男ナンバーワンである。

一方、倖田リカ(二階堂ふみ)は樹里にあからさまに敵意を向ける。樹里の感想にいちいち難癖をつけ、打ち上げ会場が突然の大奥に。二階堂ふみが浅野ゆう子に見えました。リカはなぜ樹里に意地悪な物言いをしたのか。リカとて演劇に関しては素人。何もわかっていない小娘に演劇を語られて本気で腹を立てたわけではないだろう。

ならば、WS劇場で働く人々を心の中で蔑視している樹里が気に入らなかったということだろうか。神主の娘として生まれ育った樹里は、リカから見れば苦労知らず。坂の上の安全圏から、今日の飯のタネのために必死に働く人たちを見下す樹里のことを受け入れられないのは当然といえば当然だ。なんとなく今後の展開として樹里がクベシアターに加わる流れを予想していたのだけど、そうはうまくいかないのかもしれない。リカVS樹里のバトルは、今後もクベシアターの火種となりそうだ。

また、じんわりとトラブルを予感させているのが、王子はるお(大水洋介)。初日を終え、上機嫌の彗星フォルモン(西村瑞樹)とは対照的に、何やら様子がおかしい。おそらく芝居を観に来たテレビ局のプロデューサーから何か言われたのだろう。褒められたにもかかわらず浮かない様子なのは、はるおが自分に自信を持てないから。けれど、王様気質のフォルモンより、はるおのほうに才能がありそうなのは物語の定石。もしこの二人の立場が逆転したら……なんてことを想像させる流れだが、その真相は次回に持ち越しだ。

今夜のMVPは、神木隆之介のボウリング

なんとも後味の悪い結末になったのが、うる爺(井上順)だ。

初日の失敗を反省し、打ち上げ返上で台詞を叩き込むが、ちょっとした誤解で自分が役を降ろされると勘違い。打ち上げ会場を飛び出てしまう。そして、そのまま事故に遭い、全治2ヶ月の大怪我を負うことに。てっきり事故に遭ったのは誰か別の人だったというオチになると思っていたのに、まさかうる爺が本当に怪我をしてしまうなんて。なんだかちょっと可哀相な気がするし、そもそもちゃんと説明すれば解けるレベルの誤解だったにもかかわらず、誰もまともに弁解もせず、なんなら何も悪くない久部が責められてしまうのは、ちょっとモヤモヤする。

おそらくうる爺の抜けた穴を、現在はバイト生活に落ちぶれている是尾が埋めることになるのだろうけど、それはそれでやはりうる爺が気の毒という話。このあたりを今後どうすっきりまとめるか、三谷幸喜のお手並み拝見だ。

最後にはリカの元カレ・トロ(生田斗真)が登場し、ますます人物相関図がややこしいことに。リカに好意を持っている久部はどう出るのか。久部に興味のなさそうな顔をしておきながら、樹里が久部に好意の目を向けると何やら面白くなさそうなリカの胸中も依然としてはかりかねる。この膠着した関係を、すっかり悪役ヅラが似合うようになった生田斗真が一気にかき乱してくれることを期待したい。

とりあえず今回いちばん面白かったのは、特に聞かれてもいないのにボウリングについて熱心に説明する蓬莱省吾(神木隆之介)でした。神木隆之介は真面目な顔をしてちょっとズレた芝居をさせると抜群に光る。もっと蓬莱のこういうところも見てみたいです!

(文・横川良明)

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『夏の夜の夢』の動員が思わしくない。浅野フレ(長野里美)はここまでの売り上げを持って桑名に帰ろうと持ちかけるが、大門(野添義弘)は久部に賭けると言い、家宝を質屋に入れて、オーナーのジェシー才賀(シルビア・グラブ)に約束した売り上げを用立てる。巻き返しを狙う久部は、『夏の夜の夢』に代わって『冬物語』の上演を決定。新たに是尾をカンパニーに迎え、演劇界の大御所・是尾礼三郎の復活を目玉にすると意気込むが……。

タイトル もしもこの世が舞台なら、楽屋はどこにあるのだろう
放送日時 毎週水曜22時からフジテレビ系で放送
FODでは地上波放送後に次回放送分をプレミアム先行配信
キャスト 菅田将暉/二階堂ふみ/神木隆之介/浜辺美波 ほか
スタッフ 脚本:三谷幸喜 演出:西浦正記
URL https://www.fujitv.co.jp/moshi_gaku/
https://fod.fujitv.co.jp/title/80uc/(配信ページ)

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